株式会社の起源

1602年、世界で最初の株式会社と言われるオランダ東インド会社が設立されました。この会社は国家から東インド地域での独占的な貿易権を認められていました。ただし、現代の株式会社とは異なり、ビジネスだけでなく行政や戦争も行う国家のような存在だったようです。

東インド会社では、株主から出資を募り、航海や貿易に必要な船や人員を手配しました。そして実際に航路へ出て、多くの香辛料や綿などをヨーロッパへ持ち帰り、株主へ利益を還元しました。

現代の株式会社は、1年ごとに工場を処分したり、従業員を解雇するようなことはありませんが、初期の東インド会社では航海を終えると清算をしていたようです。株主の視点でいうと、自分が出資して1度航海して帰ってくれば、どのくらいの被害・損失が出て、どのくらいの利益が出るのか、少しずつ分かってきます。こうして、配当利回りや資本コストの考え方が発生しました。

自ら旅に出なくても、出資することで相応のリスクを負い、上手くいけば莫大な富をもたらすという株式会社の原点は、私たちが歴史の教科書で学んだ東インド会社にあったのです。